2017年12月号の文藝春秋に掲載されました
甘柿のスイーツとして436ページに掲載されているので
お手元にある方は是非ご覧くださいませ
日本で最も古い甘柿として原木が王禅寺というお寺に現存しています
江戸時代には柿生村から江戸城下町まで、手押し車で運ばれていたそうです
昭和に入ってからもその勢いは衰えず、貨物列車として電車で東京まで運ばれていたそうです
今もそのなごりなのか、禅寺丸柿の苗木が都内でも販売されていたりするそうです
平成になり、柿にも大きな変化がありました
実の大ぶりな柿、タネの少ない柿やタネの無い柿
とっても甘い柿
多品目に増えていく柿に圧倒された禅寺丸柿は、ドンドン陰をひそめて行きました
そこで立ち上がったのが、禅寺丸柿保存会
歴史ある禅寺丸柿を世に残し、広めていくのが目的だそうです
そのままの禅寺丸柿では近所のスーパーに並べるにも数が取れないため、
柿ワインを製造 そして、販売しました
ミツバチでも何か手伝うことは出来ないのか?と、
私の父であるミツバチ二代目の松倉健が立ち上がりました
パウンドケーキに染み込ませて、ワインのフルーティな香りを楽しんでもらおう
そう決心してワインの販売開始からおよそ1年後に試行錯誤の中
「禅寺丸に柿ワインケーキ」がミツバチで製造販売を開始されました
「柿生でお店を開いているのだから、ミツバチでも柿生らしさを出していこう」
そう私は教わりました
禅寺丸柿そのものはとても甘くスイーツにもぴったりですが
実の崩れやすさと、甘さと味のバラツキに翻弄されていたため、
ワインであれば味も香りも一定のため、いつ購入されても変わらない味が提供出来るようになりました
ただ、禅寺丸の柿ワインケーキの醍醐味は、
日々熟成していくお菓子というところです
製造してからおよそ2週間寝かせた状態から販売をしており、
封を開けてからも少しずつ味の変化を楽しめるお菓子と仕上がりました
製造したての禅寺丸の柿ワインケーキはツンと、アルコールが強く感じますが
パウンドケーキとワインが一定の合わさり安定してくると、
食べる口も幸せですが鼻に通るフルーティで芳醇な香りがたまりません
こればかりは、食べていただくことが一番わかるのですが
一口ずつ薄くスライスしながら大切に召し上がっていただくことが
とても私たちにはうれしく思います